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卒業生からのコメント 研究者編

大学院で東北大学天文学専攻に進学しようという大学生に向けて、天文学教室で学部/大学院時代を過ごし天文学の「世界」で活躍する卒業生からコメントをもらいました。

 小松 英一郎 マックス・プランク宇宙物理学研究所 所長

  1993年に理学部物理系学科に入学し、95年に天文学コースに入りました。97年に大学院理学研究科天文学専攻博士課程に進学し、二間瀬教授のご指導のもとで宇宙論の研究に没頭しました。01年に博士号を取得し、プリンストン大学ポスドク研究員、テキサス大学教授を経て、現在はドイツのマックス・プランク宇宙物理学研究所の所長として宇宙論の研究を続けています。東北大学の天文学コースは、国内トップレベルの『天文学研究機関』、つまり、天文学を学ぶだけでなく、実際に研究する場所です。ここでは、宇宙の始まりから銀河や星の誕生・進化に至るまで、天文学を幅広く学ぶことができます。理論・観測・実験の全てがバランス良くカバーされており、大学の一学科としては国内随一の多様性を誇ります。学生だった頃を振り返ってみても、この多様性のおかげで、狭い分野にとらわれる事なく、何でも自由に研究する姿勢を学べた事は幸運だったと思います。研究者を目指すにせよそうでないにせよ、宇宙の成り立ちを科学的に解明したいと思うならば、天文学コースはその懐の深さであなたの期待に十分応えてくれるでしょう。

戸次 賢治 Western Australia 大学 教授

  私が東北大学天文学教室に在籍していた頃(1990年代半ば)は、およそ10人くらいの大学院生が銀河に関する観測的、理論的研究を行っていたと思います。各々の院生が多面的に銀河の形成進化を研究していたので、暇さえあれば、自由に院生同志でいろいろなテーマについて議論していた思い出があります。当時の天文学教室のスタッフの中には観測的に銀河を研究するもの、数値シミュレーションを用い銀河を研究するものありと、非常にバランスのとれたスタッフ構成だったと記憶しています。研究者の卵であった自分はいいアイディアがひらめくとスタッフの部屋に行きよく議論をしましたが、その議論を可能にしたのも当時のバランスのとれたスタッフ構成によるところが大きかったのではないかと思います。20年くらいたった今でも当時のスタッフは健在らしいので、現在の東北大学天文学教室の大学院生は(私がおおいに楽しんだ)銀河形成、進化に関する活発な議論をスタッフとともに行っていることと思います。私が院生だった頃は、スタッフからあれをやれこれをやれなどという研究遂行上の示唆はそれほどなく、自由に自分で研究テーマなどをすべてきめて、自分の責任で研究を行えました。院生時代の研究成果の良し悪しはともかく、博士過程後期に自由な雰囲気で自分の決めた研究テーマを自分だけの力で遂行しようとしたことは後の自分の研究生活に大きな影響を与えたと思います。現在のスタッフ構成、過去20,30年の銀河に関する研究成果を考えると、東北大天文学教室は銀河の研究を行うには素晴らしい環境なのではないでしょうか。

梅津 敬一 台湾中央研究院天文及天文物理研究所 准教授

  1995年に二間瀬研究室の門を叩きました。96年に天文学専攻に進学し、二間瀬・服部両教授のご指導のもとで観測的宇宙論・銀河団物理学の研究に励みました。2001年に博士号を取得後、台湾最高学術研究機関である中央研究院の博士研究員、助教を経て、現在は同所の准教授として研究しています。主に、すばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡で観測される銀河団による重力レンズ効果を利用して、宇宙の主要な重力源となる暗黒物質の研究をしています。東北大天文教室の特色は、星の物理から遠方銀河観測、宇宙論、そして次世代装置開発まで、先端的な研究が幅広く行われていることです。これは独力で研究を進めていくために必要な基礎+柔軟性を培うのに最適な環境だと思います。もう一つ特筆すべきは、これまで多くの個性的、独創的な研究者を輩出してきた、アットホームで自由闊達な独特の気風でしょう。私も、研究スタイルから生き様(?)まで、東北大天文教室の先生方や仲間の影響を色濃く受けました。大変熱意のある先生方がおられるので、積極的につかまえて議論することをお薦めします(先生方も喜ばれると思います)。

 高田 昌広 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 教授

  2001年3月に天文学教室の二間瀬研で学位を取り、現在は東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構に所属し、観測的宇宙論の研究をしている高田昌広です。観測技術、理論の進展で、宇宙のことはだんだんと分かっています。しかし最新の宇宙論データで明らかになってきたのは、宇宙がダークマター、ダークエネルギーという正体不明のダーク成分で満たされているという宇宙像で、さらに大きな謎に直面しています。ダーク成分の解明を目指し、主鏡8.2mのすばる望遠鏡に超広視野装置を開発し、大規模な銀河サーベイを行うSuMIRe(Subaru Measurements of Images and Redshifts) プロジェクトを進行中で、このプロジェクトに私も関わっています。天文の研究は、人種、国境の垣根はなく、世界中を飛び回り、様々な国の人たちと「宇宙」という共通の興味について議論、共同研究ができる大変エキサイティングな分野です。特に、大学学部、大学院のあいだは天文学、物理学の基礎を学ぶ大事な時期ですので、皆さん東北大の天文教室で宇宙のことについて色々と学んでください。東北大卒業生と一緒に観測的宇宙論の研究ができることを待ち望んでおります。

田中 壱 国立天文台ハワイ観測所 サポートアストロノマー

  ハワイ島にある、すばる望遠鏡で働いています。世界中から来る天文学者の観測支援を通して、彼らにベストの成果を出してもらえる様日々努力しています。私は天文学の無い大学から東北大学大学院に進みましたが、ここでの日々が無ければ今の自分はありません。天文学を学びたい、という情熱さえあれば、学部での専門とは関係なく、ここで多くの事を学べます。そういう熱意ある後輩と、いつかすばるで会える日を楽しみにしています!

鍛冶澤 賢 愛媛大学 助教

  私は2004年に東北大学大学院天文学専攻で学位を取得しました。現在は四国の愛媛大学の教員として、主にすばる望遠鏡を使った遠方銀河の観測による銀河の形成・進化の研究を行っています。東北大学大学院在籍時には、研究とはどのように進めていくものなのかという基本を学ぶとともに、理論・観測を問わず様々な分野で研究されている先生・先輩方から非常に多くの影響を受けました。東北大学大学院は天文学者としての基礎となる土台作りに大変よい環境だと思います。

松田 有一 国立天文台チリ観測所 助教

  私は2005年に東北大学大学院で学位を取りました。現在は、国立天文台チリ観測所で、遠方銀河の観測的研究を行っています。東北大の良いところは、何と言っても豊かな自然に恵まれたキャンパスで自分のやりたい研究を自由にのびのびと出来るところです。私自身、学生時代には研究室で騒ぎ過ぎて先生方に「うるさーい」と注意されたこともありましたが、その有り余る力を研究に向けてみたい人には東北大学はぴったりだと思います。

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