講義

[天体測定学I] [天体測定学I演習]

実験観測の基本を勉強します。
天体測定学Iで、主に光と赤外線の観測装置や検出の原理を勉強します。天体測定学I演習の授業で、フォトダイオードや光電子増倍管を用いた観測装置のアンプを製作しています。みなさんはんだごてを持つのは中学校以来という人が多いのですが、半年もすると、立派な電子回路を作れるようになります。作った回路の性能評価を実験室で行い、レポートを提出してもらいます。
天体測定学I
天体信号の測定原理
天体からの信号を測定する原理を理解し、特に可視光と近赤外線
における天体の観測と解析方法を勉強する。具体的な講義内容は
 1)時刻の定義
 2)天体の位置と座標変換
 3)望遠鏡と観測装置の構造
 4)可視光と赤外線のセンサー
 5)撮像の原理
 6)分光の原理
天体測定学I演習
天体観測装置の製作
天体からの光を検出する簡単な観測装置を製作する。可視光の光電子増倍管やフォトダイオードを用いた装置を製作する。光子の検出方法 の原理を復習し、検出信号を電気的に検出する回路を理解する。さらに実際に装置を製作し、性能を評価することを通して、天文学における実験観測に親しむこ とを目標とする。なお本授業で製作した観測装置を「天体観測」の授業で望遠鏡に取り付け、実際に天体観測を行う。

[天体観測]

天体の観測実習とデータ解析
授業内容: 講義においては天体の撮像、測光、分光観測、データ解析の基本を勉強します。その知識を基に随時夜間の観測実習を行います。実習は物理A棟屋上ドームに新設した51cm望遠鏡にCCDカメラ及び分光装置を取り付けて行います。また「天体測定学I演習」で各自の製作した観測装置を天体観測に応用します。

卒業研究(宇宙地球物理学研究)では51cm望遠鏡による銀河の観測データを用いたテーマに取り組みます。CCDカメラを用いて、自分で観測したデータを基に銀河の構造や進化の研究を行っています。さらに、世界にはたくさんの公開データがありますので、それらも活用して研究を進めています。研究テーマは毎年変わります。また、南極天文学のための小型の観測装置の製作、基礎技術開発なども行っています。
天体計測学特論
天体計測学特論
光と赤外線の検出原理と天体観測装置の構造
天文学研究の課題の決定から装置完成に至るまでの過程を理解する。特に具体的な観測装置を通して、信号の検出の原理と分光・撮像に関する様々な技術を理解し、さらに信号・雑音比を高める観測技術、解析方法も勉強する。講義内容は概ね次の通りである

1. 望遠鏡と観測装置の基本構造
2. 天体の明るさと検出限界
3. 光と赤外線の検出の原理
4. 光学系
5. 真空技術
6. 低温技術
7. エレクトロニクス