1 縦ドップラー効果

$ O'$ 系に周波数 $ \nu_0 $ の電波の発信源があり、その電波を$ O$ で観測するとすると Eq.(8) より、観測者が観測する電磁波の周波数$ \nu$は、

$\displaystyle \nu = \nu_0 \frac{\sqrt{1-\beta^2}}{1-\beta \cos\theta}$ (9)

となる。特に $ \theta = \pi$ のときは、発信源が観測者に対して速度 $ v$ で遠ざかる場合となり、このとき

$\displaystyle \nu = \nu_0 \frac{\sqrt{1-\beta^2}}{1+\beta}
=\nu_0 \sqrt{\frac{1-\beta}{1+\beta}}   \leq \nu_0
$

となり、観測者が観測する周波数は発信源のそれより小さくなる。 従って電波が可視光線の場合には、 スペクトル線が赤色の方向へずれるので、赤方偏移(Red Shift) と呼ばれる。 また $ \theta = 0$ のときは、発信源が観測者に対して速度 $ v$ で近づく場合となり、このとき

$\displaystyle \nu = \nu_0 \frac{\sqrt{1-\beta^2}}{1-\beta}
=\nu_0 \sqrt{\frac{1+\beta}{1-\beta}}   \geq \nu_0
$

となり、観測者が観測する周波数は発信源のそれより大きくなる。 従って電波が可視光線の場合には、 スペクトル線が青色の方向へずれるので、青方偏移(Blue Shift) と呼ばれる。 これら二つの場合を併せて縦ドップラー効果と呼ぶ。

fat-cat 平成16年11月29日