2 光子一個当たりの角運動量と運動量

右回りに円偏光した $ z$正の方向に進む電磁波を形成する光子一個当たりの角運動量、運動量を考える。 (20)より

$\displaystyle W = N \hbar \omega
$

とする。

(15)は電磁波が粒子に与えるエネルギーと、電磁波が粒子に与える角運動量の比である。 これより電磁波が粒子に与える角運動量は

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$\displaystyle \frac{W}{\vert{\boldsymbol \tau}\vert}...
...l \tau}\vert} = \omega \qquad \therefore  \vert{\boldsymbol \tau}\vert=N \hbar$ (21)

となる。光子が粒子に吸収されことから、これは全光子の角運動量と一致するはずである。 角運動量の向きを踏まえると、(14)から進行方向と逆向きであるので、 進行方向を正($ z$軸正を正)とすると、

$\displaystyle ($右回りに円偏光した z 軸正の方向に進む電磁波を形成する光子一個当たりの角運動量$\displaystyle ) =-\hbar$ (22)

である。

同様に考えると(17)は電磁波が粒子に与えるエネルギーと、電磁波が粒子に与える $ z$成分の運動量の比であるので、 これより電磁波が粒子に与える$ z$成分の運動量は、

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$\displaystyle \frac{W}{P_z}= \frac{N\hbar \omega}{P_z}= c \qquad \therefore   P_z= N \frac{\hbar \omega}{c}$    

となる。光子が粒子に吸収されことから、これは全光子の$ z$成分の運動量と一致するはずであり、 また光子は$ z$方向のみの運動であるから、

$\displaystyle \vert$光子一個当たりの運動量$\displaystyle \vert= \frac{\hbar \omega}{c}=\frac{E}{c}$ (23)

となる。

fat-cat 平成17年2月17日