モアックス What's new

2009年12月12日

GOODS-N領域におけるMODS(MOIRCS Deep Survey)プロジェクトの第5番目の論文 "MOIRCS Deep Survey V: A Universal Relation for Stellar Mass and Surface Brightness of Galaxies"がアストロフィジカルジャーナルへの掲載が決まりました。この論文では銀河の全星質量と銀河の表面輝度には普遍的な関係式があることを発見しました。この関係式は宇宙の年齢にも依存しないので、銀河は質量によらず、同じ方法によって作られていることを示しています。最近、大質量銀河は特殊な銀河で、他の銀河と異なった進化(例えば、銀河の合体によって成長した)と言われていますが、今回の発見はそれを否定するものです。

2009年7月7日

GOODS-N領域におけるMODS(MOIRCS Deep Survey)プロジェクトの第4番目の論文 "MOIRCS Deep Survey. IV: Evolution of Galaxy Stellar Mass Function back to z~3"(z~3までの銀河の恒星質量関数の進化)がアストロフィジカルジャーナルへの掲載が決まりました。 銀河は誕生後、内部でガスが星になる、あるいは、銀河同士の合体で、銀河内部の恒星の質量が増えていきます。どのような質量の銀河がいくつ存在するかを銀河の質量関数と言います。これは銀河の誕生と進化を理解する基本的な観測量ですが、遠方(宇宙の初期)に行くほど、観測が困難になります。特に、質量の小さい銀河は暗いので、観測はますます困難です。私たちのMOIRCSによる観測は世界で最も深い観測データですので、進化を研究するには最適なカタログです。今回の研究では、110億年前の質量関数の進化を求めました。その結果、宇宙が若い時ほど、小質量の銀河の数が卓越し、その後、それらは大きな銀河に飲み込まれて、減少して行ったと理解されます。

2008年3月25日

MOIRCSグループの小西真広君に東北大学総長賞が授与されました。MOIRCSの開発とそれを用いた銀河進化の研究の博士論文が高く評価されました。(論文の概要はこちら)

2008年2月29日 すばる国際外部評価委員会

国立天文台ハワイ観測所において、すばる国際外部評価委員会主催の公聴会でMOIRCSの成果を発表し、高い評価を得ました。特に、MOIRCSの優れた性能と大学院生の教育への貢献を強調しました。詳しくはその時の発表資料(英語)をご覧ください。

2007年2月24日 研究成果

日本天文学会欧文報告に「Subaru/MOIRCS Near-Infrared Imaging in the Proto-Cluster Region at z=3.1」 Yuka Katsuno Uchimoto 他の掲載が決定いたしました。この研究では115億年前の宇宙に発見されていた原始銀河団のライマンα輝線を強く出す天体の中でどのように星生成が進んでいるかを明らかにしました。詳しくはastro-ph/0802.3958をご覧ください。 この研究はMOIRCSの開発グループが最初の研究テーマのひとつとして取り組んできたものです。

2007年9月28日 VPHグリズムの試験観測

MOIRCSに搭載したJバンドとHバンドのVPHグリズム試験観測を9月28日に行った。前半夜の割り当てだったが、半分ほどしか晴れなかったので、VPHグリズムのガタ、標準星による効率測定、OH輝線同定の観測のみ行った。(詳しくはこちら)

2007年8月15日 VPHグリズムの開発

MOIRCS用に開発したVPHグリズムをMOIRCSに搭載して、性能評価を行った。VPHグリズムはJバンド用(VPH-J)とHバンド用(VPH-H)で、100Kでの天文観測の応用としては世界初の試みである。実験の結果、分解能はJとHバンドでそれぞれ、R=3049、R=2936であった。回折効率はブレーズ波長で約75%である(現在論文準備中)。(詳しくはこちら)

2007年7月13日 銀河のクラスタリング進化

私たちの銀河系や、衛星銀河のマゼラン銀河、局所銀河群の仲間であるM33などの比較的ちいさな銀河の祖先はいったいどのような銀河だったでしょうか。是非私たちの過去の姿を知りたいものです。本研究では、私たちが観測したGOODS-N領域でのデータに銀河分布の相関関係の解析を行い、これら銀河の過去の姿を追いかけました。その結果、(統計的にですが)過去の姿をかいま見ることができましした。
"MOIRCS Deep Survey. II. Clustering Properties of K-band Selected Galaxies in GOODS-North Region", PASJ, 59,No.6 (2007年 12月 25日発行予定)

2007年5月31日 記者発表

ハワイ島ヒロにあるイミロア天文センターにて、マウナケア各天文台から最近の観測装置や天文に関する成果を発表する米国報道関係者を対象とした記者発表会がありました。私もモアックスの紹介を行いました。プラネタリュームにプレゼンを投影しての発表でしたので、今までにない新鮮な雰囲気でした。モアツクスの特徴、世界における位置づけ、教育における意義、最近の研究成果などを紹介しました。詳しくはこちらをどうぞ(英語)

発表中の筆者

聴衆 (主に米国の報道関係者)