第00011回  院生雑誌会
・日時:
2006/07/07(Fri.) 02:00pm
・発表者:
櫻井 夏輝 (M1 斎尾研)
・紹介論文:
Wolfgang Gieren, Jesper Storm, Thomas G. Barnes III, Pascal Fouque, Grzegorz Pietrzynski, Francesco Kienzle
astro-ph/0509691
"Evidence for a Universal Slope of the Period-Luminosity Relation from Direct Distances to Cepheids in the LMC"

・要旨:
ISB(Infrared Surface Brightness)法を用いてLMCの周期が3ー42 日のCepheidを観測し個々のCepheidの距離を求めた。それを用いて周期ー光度 関係を作ったところOGLEの観測から得られる ものと一致しないことがわかった。さらに観測データについて今度は周期ー距 離指数でグラフを書くと本来同じ距離指数が得られるはずが、このグラ フからは周期が長いほど距離指数が大きくなることを示していた。
そこでさまざまな 考察からISBの元になるBaade-Wesselinkのp-factorが原因であることが予想さ れ この周期依存がなくなるようにp-factorを決めてやりもう一度LMCのChepheid の距離を計算し直したところ周期ー光度関係はOGLEのものとほぼ一致した。 したがってこのことからLMCのmetallicityでも銀河系のCepheidと共通の周期ー光度 関係が成立することが今回の観測と考察からわかった。
この関係を用いれば今までよりもより正確な遠方銀河までの距離 を求めること、そしてハッブル定数によりきつい制限を与えられることが期待 される。
・資料:
なし