第35回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2007.11.09(Fri.) 4:00PM
  • 発表者:
    1. 井上 茂樹 (野口研M2)
  • 要旨:
    1. Giant Low Surface Brightness galaxies(GLSBs)は、低光度でありながら100kpc程度にまで広がった、とても大きなdisk構造を持った銀河である。しかし現在広く信じられているCDM宇宙モデルに基づく宇宙の構造形成シミュレーションにおいては、disk銀河の形成はハローへの角運動量の移動が起こるために困難とされている。一般にこれを角運動量問題と呼ぶが、その中でGLSBのような非常に大きなdiskの存在は、ただでさえ難しいdisk形成の描像に逆行するような意味を持ってしまう。よってGLSBsの形成は、現在のCDM宇宙論では説明し切れないものとされてきた。今回紹介する論文では、数値シミュレーションの手法を用いて、GLSBsがhead-on mergingを経験したdisk銀河であり、ring-galaxyはその途中過程であることを、CDM宇宙モデルの枠内で見事に解き明かしている。