第38回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2007.12.07(Fri.) 4:00PM
  • 発表者:
    1. 松本 明子 (二間瀬研D2)
  • 要旨:
    1. 重力レンズ効果によって引き起こされるTime delayはハッブルパラメーターとレンズ銀河の密度分布の双方に依存する。これまでの研究では、HST/WMAPで得られたハッブルパラメーターの値を再現するような密度分布はconpactなdark metter haloであるという結論が得られていた。しかし、この密度分布は、X線や弱い重力レンズの研究から示唆される密度分布であるextended haloやisothermal profileとは一致しない。本論文では、HSTで観測されたハッブルパラメーターを用い、Time delayが測定されている13個のレンズ系を用いて銀河の密度分布を推定した。このとき、銀河の密度分布としてpower-law(ρ∝r^{-n})を仮定した。その結果、密度分布のスロープはη=2.11(3σ)となり、isothermal profileを支持する結果となった。Time delayが測定されているサンプルが少ないため、selection biasが含まれている可能性は否定できないが、本論文の結果からTime delayはレンズ銀河の密度分布を推定するために有用であることがわかる。