第61回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2008.10.17(Fri.) 4:00PM
  • 発表者:
    1. 岡村 雅普 (二間瀬研 M1)
  • 要旨:
    1. 大規模構造による弱重力レンズはダークマター分布を直接トレースする唯一の手法である。
      バリオンでも弱重力レンズは起きるが、ダークマターに比べバリオンは少なく(~10%)その分布は大スケールでダークマターと同じであるため考慮されていなかった。しかし将来行われる大規模サーベイではパワースペクトルがパーセントレベルで決まるため、バリオンが与える影響を正しく評価する必要がある。
      本論文ではホットバリオン(ICM)がハロー内にベータモデルで分布する場合を考え、パワースペクトルに与える影響を調べた。その結果 l > 1000では数%の変化が見られた。これは将来的なサーベイで検出可能であり、宇宙論パラメータを正しく評価するためにはバリオンを考慮する必要があることが分かった。