第69回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2009.01.23(Fri.) 4:00PM
  • 発表者:
    1. 新田 大輔 (二間瀬研 D2)
  • 要旨:
    1. 宇宙初期にできたゆらぎの非線形性(→Non-Gaussianity)は、近々打ち上げられるPLANCK衛星による宇宙背景放射の全天観測での発見が期待されている。
      今回の論文では、baryogenesis(バリオン数生成)を実現するモデルの一つ、Affleck-Dine mechanism から、等曲率揺らぎというものを計算し、その非線形性を調べている。現在の観測からの制限で、全揺らぎに対して等曲率揺らぎの割合は小さくないといけないことがわかっているが、それにもかかわらず十分観測可能な非線形性が作られることがわかった。また、Affleck-Dine mechanismによるbaryogenesisは、宇宙の再加熱温度やインフレーションのエネルギースケールに依存するため、非線形性が観測されれば、宇宙の初期がどのような状態であったかを知る手がかりとなるだろう。