第71回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2009.05.29(Fri.) 4:00PM
  • 発表者:
    1. 井上 茂樹 (野口研 D2)
  • 要旨:
    1. 現在広く信じられている惑星形成シナリオは,「京都モデル」と呼ばれる“小さなサイズの微惑星が寄り集まってさらに大きな原始惑星へと進化していく”というシナリオである.
      しかしこのシナリオにも未だにいくつかの未解決問題がある.原始惑星円盤のガス中を軌道する微惑星は,ガスの“向かい風”を受けながら公転しているため,徐々に角運動量を失って円盤中心部へと落ちていく.特にメートルサイズの微惑星ではその効果が強く,わずか数100年スケールの時間で中心に落ちてしまうと計算されているために,それ以上の大きさへ進化できないことになってしまう.
      この論文では数値シミュレーションを用いて,この問題を解決する一つの可能性として,多数の微惑星が乱流の渦の中で一気に合体し,メートルサイズを飛び越して大きなスケールに進化することを挙げている.