第79回 院生雑誌会
- 日時:
- 09.10.20(Tue.) 4:00PM
- 発表者:
- 森本 奈々 (山田研 D1)
- 紹介論文:
"Galaxies at High Redshift and Reionization"
A. Bunker, E. Stanway, R. Ellis, M. Lacy, R. McMahon, L. Eyles, D. Stark, K. Chiu
astro-ph/0909.1565
- 要旨:
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遠方に存在するクェーサーのスペクトル、そしてWMAPによるCMB偏光の観測などにより、赤方偏移z~1100(宇宙年齢~38万年)で一度中性化した宇宙がz~10以降に再度電離されたことが分かってきた。この宇宙再電離を引き起こした電離光子の起源として、活動銀河核及び星形成銀河が考えられているが、宇宙再電離の時期には活動銀河核の数はまだそれほど多くはないと予想される。そのため、高赤方偏移における宇宙全体の星形成率とともに、電離光子の銀河からの脱出率を知ることが重要になってくる。
この論文では、HSTによる深い撮像観測と地上の大型望遠鏡による分光観測を通じた、初期宇宙に存在する星形成銀河の同定について概説している。さらに、そのような銀河の星質量、形成時期、及び宇宙再電離における役割についても議論している。