第83回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2010.01.29 (Fri.) 2:45PM
  • 発表者:
    1. 安達 亘 (服部研 M1)
  • 紹介論文:
    1. "Extrapolation of Galactic Dust Emission at 100 Microns to Cosmic Microwave Background Radiation Frequencies Using FIRAS"

    2. Finkbeiner, D. P., Davis, M. & Schlegel, D. J.

    3. ApJ, 524, 867 (1999)

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  • 要旨:
    1. CMB観測において、邪魔な成分である前景放射のモデルを確立することは極めて重要である。今回は前景放射成分のうち、ダストからの熱放射を取り上げる。

      宇宙背景放射探査機COBEには三つの装置が搭載されている。

      1. 差分マイクロ波ラジオメータ(DMR)
      2. 遠赤外絶対分光測光計(FIRAS)
      3. 拡散赤外背景放射実験装置(DIRBE)
      である。
      FIRASは、CMBのスペクトルが2.725Kの黒体輻射であることを証明したことで有名である。同時に、銀河系に広く分布したダストマップを描くことにも成功した。また、絶対光度の測定に強いDIRBEは、分解能の良いIRAS(赤外線天文衛星)のデータと組み合わせて、高精度の赤外線ダストマップを作成するのに成功した。この両ダストマップを比較し、ダスト放射のモデルを構築したのが今回紹介する論文である。
      最終的なモデルはFDS model 8と呼ばれ、CMB前景ダスト放射成分の分離に使われている。

  • 資料: