第103回 院生雑誌会
- 日時:
- 2010.1.12 (Wed.) 5:00PM
- 発表者:
- 馬渡健(山田研M1)
- 紹介論文:
"Compact Lyα-emitting candeidates at z=2.4 in deep medium-band HUBBLE SPACE TELESCOPE WFPC2 images"
Pascarelle,S.M. et al.
1998AJ....116.2659P
- 要旨:
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現在の構造形成論においては、CDMモデルに基づくbottom-upなhierarchical的構造形 成が有力視されている。こうした理論を検証するためには個々の銀河の形成進化を調 べるだけでなく、銀河団スケールの大規模構造を様々な赤方偏移で調べるべきだろう。
本論文は、z=2.39の電波銀河53W002の周辺でHST/狭帯域フィルターを用いたLyα-emi tter探査を行うことで、効率的に原始銀河団を検出し性質を調べようと試みたもので ある。また参照領域における同様の観測との比較から、53W002領域の密度超過がその 時代においてuniqueなのかcommonなのかの議論も行っている。
なお一般に原始銀河団と考えられている53W002領域であるが、同領域における輝線銀 河探査は本論文を含めたPascarelle,Keelらの1990年代後半の一連の仕事のみであり、 その後の研究もそれに基づく議論が多い。そうしたことを考慮すると、同領域の研究 の大元となるPascarelleらの研究を検証することは重要なことである。
- 資料: