第96回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2010.10.27 (Wed.) 4:30PM
  • 発表者:
    1. 林 航平 (千葉研 M1)
  • 要旨:
    1. Cold dark matter における銀河形成論は、宇宙の大構造をよく説明できているが、 1Mpc以下の小スケールでは、観測と矛盾が生じていることがわかってきている。 その一つに「カスプ問題」というものがある。 ダークハローの中心密度分布がN体シミュレーションではコアを持たない「カスプ」 であるのに対し、観測ではカスプではなく、コアである結果が出ているという問題で ある。
      本論文では、N体シミュレーション「Aquarius Project」で得られたサブハローのポ テンシャルが5つの矮小銀河の表面輝度、速度分散とどの程度一致するのかを調べた。 すると、球ポテンシャルにもかかわらず良く再現できていることがわかり、更に矮小 銀河の中心密度分布がコアである必要がないことを明らかにした。
      本発表では、論文の概要を発表する他に、現在のカスプ問題の理論・観測における問 題点及び自分自身の研究についても少し触れたいと思う。