第137回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2012.07.25 (Wed.) 17:00~
  • 発表者1:
    1. 豊内 大輔(千葉研M1)
  • 要旨:
    1. ΛCDM宇宙が予想する、 ダークマターサブハローの最小要素として近年発見されつつある、 Ultra Faint Dwarf galaxies(UFDs)がある。 これらは他の銀河に比べ、ダークマターの割合が多く(M/Lv > 100)、 きわめてメタルプアー([Fe/H] < -2.0)であることから、 宇宙の構造形成または、宇宙初期の星形成を知る上で、重要な天体である。
      今回HST-ACSで得られた深い測光データを用いて 3つのUFDにたいしてColor magnitude diagramを得た。 その結果どのUFDも約13.7Gyr前に星形成を終えていることがわかった。 これはその時代に宇宙全体でuniversalに星形成を抑えるプロセスが 存在したことを意味している。

      Keywords:


  • 発表者2:
    1. 中村 翔(服部研D1)
  • 形式:研究報告
  • 発表タイトル:
    1. "3次元MHDシミュレーションによる渦巻き銀河の大局的磁場・プラズマ構造モデルの構築"

  • 要旨:
    1. 銀河系外の渦巻き銀河の観測では渦状腕に沿って磁場が集中していることが シンクロトロン放射の強度・偏光観測により知られている。 我々のいる天の川銀河でも星の偏光分布やシンクロトロン放射の偏光分布により 同様の状態であると考えられている。 これは渦状腕部分で磁気流体衝撃波が発生し、 磁場の増幅効果が期待されるためである。
      これを再現するために銀河のバルジ・ディスク・ハローの形成する 軸対称な重力ポテンシャルに加え、 渦状腕が作る非軸対称な重力ポテンシャルを導入し、 3次元MHDシミュレーションを行い、渦状腕衝撃波の再現を行った。
      その結果、期待通り渦状腕部分で磁場が強められることが確かめられた。 また軸対称な重力ポテンシャル中での円盤内部での磁場の増幅・および ハローへの磁束浮上のタイムスケールに違いが見られた。 本ポスターでは物理機構の概要と、 実際の渦巻き銀河のMHDシミュレーションを行うにあたっての 今後の課題について記述する。

      Keywords: spiral galaxy, magnetic field, MHD