〜研究紹介(高山)〜


修士の研究テーマとして赤色巨星の脈動変光星、OSARG型変光星(OGLE Small Amplitude Red Giant variables)の脈動モードとしてもっともらしいモードを明らかにするというテーマを選びました。OSARG型変光星は不規則な変光をしている変光星で、複数の振動周期の重ね合わせによってこのような不規則性を呈していると考えられました。従って各周期とそれらの比を数値的に計算し、観測結果と比較することでlow orderのradial modeの他に、dipole、quadrapole modeの脈動周期が観測結果と良く合うことを見つけました。また振幅が小さいことや振動数の大きさから、OSARG型の脈動はstochastic excitationによる太陽型振動である可能性が高いと考えられます。

現在はOSARG型変光星含む多くの赤色巨星で観測されている、Long Secondary Period(LSP)という長周期の変光現象の原因の解明を目指し研究しています。LSPは10年以上前に大マゼラン星雲の変光星の解析で見つかった、周期が1000日程度の変光現象です。変光の原因として考えられる現象は「脈動」「連星の食」「楕円状に歪んだ星の自転」「自転による大きな黒点の見え隠れ」などが挙げられますが、どのモデルも未だLSPの観測データを十分説明できていません。この現象を物理的に解明できれば、これまで知られていなかった赤色巨星の新たな性質が明らかになると期待しています。



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