1 RC回路

図 1: RC回路
\includegraphics[width=12.00truecm,scale=1.7]{re.eps}

図壱のような RC回路を考える。 $ v(t)$が入力、$ V(t)$が出力である。 外部から電圧がかかっていない場合に回路を一周すると、電圧降下は

$\displaystyle +V_C+V_R =0 ,\quad V_C=V(t)
$

であるから $ q(t)=CV_C, V_R = I(t) R$より、微分方程式は

$\displaystyle \frac{dV(t)}{dt}+\frac{1}{RC} V(t) =0$ (1)

と書ける。 この同次微分方程式の解はすぐ求まり

$\displaystyle V(t)=A \exp\left[-\frac{t}{RC}\right]=A e^{-t/\tau},\qquad A=\mathrm{Const},\tau=RC
$

である。ここで$ \tau$時定数(time constant)といい、 系の典型的な反応時間(typical response time scale)を表す

今外部からコンデンサーの両端に $ v(t)= v_0 \delta(t)$というパルス電圧(入力信号)をかける(入力信号を何故パルスにするかについては後述する)。 これより微分方程式Eq.(1)は次のような非同次方程式になる。

$\displaystyle \frac{dV(t)}{dt}+\frac{1}{\tau} V(t) =\frac{v_0}{\tau} \delta(t)$ (2)

同次方程式の解は既に得られているので、この解を元に定数変化法 $ A \to A(t)$を用いることで解を求める。 実際に代入すると、

$\displaystyle \dot{A}(t) =\frac{v_0}{\tau} \delta(t) e^{t/\tau}
$

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$\displaystyle \therefore 
A(t) = \frac{v_0}{RC}\int...
...{t} e^{t'/\tau} \delta(t') dt'
= \frac{v_0}{\tau} \theta(t) +C,\qquad\theta(t)$   :単位階段関数$\displaystyle ,\quad C=\mathrm{Const}
$

となる。コンデンサーは最初帯電していなかったと考えると$ C=0$であるから、電圧の時間変化は

$\displaystyle V(t)= \frac{v_0}{\tau}\theta(t) e^{-t/\tau}$ (3)

となる。このことから、一瞬に起きたパルス入力に対して、出力は$ \tau$程度の時間を掛けてゆっくりと減少していくことが分かる。

fat-cat 平成17年2月17日