4 CNO循環連鎖反応

星の中心で起こっている水素燃焼のもう一つの重要な連鎖反応は、CNO 循環連鎖反応と呼ばれる。 この反応は $ {\rm C^{12}}$ $ {\rm C^{13}}$ $ {\rm N^{14}}$ そして $ {\rm N^{15}}$ などの原子核が触媒として働き、 結果として $ {\rm 4 H \to He}$ なる核融合反応を起こすものである。 記号で書けば

$\displaystyle \to   {\rm C^{12}(p,\gamma)N^{13}(\beta^+\nu)C^{13}(p,\gamma)N^{14}(p,\gamma)O^{15}(\beta^+\nu)N^{15}(p,\alpha)C^{12}}  \to$ (57)

と書けるが、これは例えば

$\displaystyle \to   {\rm N^{14}(p,\gamma)O^{15}(\beta^+\nu)N^{15}(p,\alpha)C^{12}(p,\gamma)N^{13}(\beta^+\nu)C^{13}(p,\gamma)}  \to$ (58)

と書いてもよい。 CNO 循環連鎖反応には、 もう一つの脇道が知られていて、 $ {\rm N^{15}(p,\alpha)C^{12}}$ のかわりに、 $ {\rm N^{15}(p,\gamma)O^{16}}$ がある頻度で起こるとき

$\displaystyle {\rm N^{15}(p,\gamma)O^{16}(p,\gamma)F^{17}(\beta^+\nu)O^{17}(p,\alpha)N^{14} }$ (59)

なる連鎖反応で $ {\rm He}$ を作ることがある。 いずれにせよ、 一巡することで、 触媒核が陽子捕獲を四回行い、二回 $ {\rm\beta^+}$ 崩壊をすることで、 $ {\rm He}$ を一個生成することになる。 (57)は CN 循環、(59)を経過するものを ON 循環と呼ぶ。



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fat-cat 平成17年1月10日