2 事象間隔、事象距離の変換

座標変換は、 変換行列の行列因子、つまりヤコビアン $ J$ を用いて

$\displaystyle d^4 \bar{\vx} = \del{\left(\bar{\vx}\right)}{\left(\vx\right)}  ...
...= \det \left( \Lambda_{\alpha}^{\bar{\beta}}(\vv)\right) d^4\vx
= J   d^4\vx
$

と書くことができる。 式(4)から式(6) で与えられるローレンツ変換に対しては、 座標間の相対速度 $ {\bf v}$ だけに依存し、 座標系の回転などを考えず、 proper なものとして考えていたので、 Eq.(3)にもあるように、

$\displaystyle J = \det \left( \Lambda_{\alpha}^{\bar{\beta}}(\vv)\right) = 1
$

である。よって

$\displaystyle d^4 \bar{\vx} = d^4 \vx$ (15)

が成り立つ。 この式から四次元微小体積 $ d^4\vx$ はローレンツ変換に対して不変であることが確認できる。 同様にして、

$\displaystyle \eta_{\alpha\beta} = \bar{\eta}_{\mu \nu} \Lambda_{\alpha}^{\bar{\mu}}\Lambda_{\beta}^{\bar{\nu}}$ (16)

が成り立つのが分かる。 以上からEq.(1) の $ ds^2$ がローレンツ変換に対して不変であることが分かる。

上の行列式 $ \det \left(\Lambda_{\beta}^{\bar{\alpha}}(\vv)\right)$ を実際に計算してみる。

$\displaystyle \Lambda_{\beta}^{\bar{\alpha}}(\vv)
=
\begin{pmatrix}
\gamma & -\...
...mma-1)/\vv^2 & v^3v_2(\gamma-1)/\vv^2 & 1+ v^3v_3(\gamma-1)/\vv^2
\end{pmatrix}$

であるから、

$\displaystyle \det\left(\Lambda_{\beta}^{\bar{\alpha}}(\vv)\right)$ $\displaystyle = \gamma + \frac{\gamma^2}{\vv^2} \left(v_1 v^1 +v_2v^2 + v_3v^3\...
...v_1 v^1 +v_2v^2 + v_3v^3\right) -\gamma^2 \left(v_1 v^1 +v_2v^2 + v_3v^3\right)$    
  $\displaystyle = \gamma^2 \left(1-\vv^2\right) =1$    

より確かに、 $ \det \left(\Lambda_{\beta}^{\bar{\alpha}}(\vv)\right)=1$ が確認できる。

fat-cat 平成16年11月28日