8 relative tensor,pseudotensor(擬テンソル),tensor density(テンソル密度)

一般に、例えば二階のテンソルについて

$\displaystyle \bar{T}_j^i = \frac{\partial \bar{x}^i}{\partial x^k} \frac{\partial x^l}{\partial \bar{x}^j}   \tilde{J}^w T_l^k$ (67)

なる変換則を満たすテンソルを relative tensor と呼ぶ。 特に $ w=-1$ のとき擬テンソル(pseudotensor)、 $ w=1$ のときテンソル密度(tensor density) と呼ぶ。 $ \epsilon^{ijk}$ は三階の反変テンソル密度であり、 $ \epsilon_{ijk}$ は三階の共変擬テンソルである。また

$\displaystyle \bar{g}_{ij} = g_{ij} \frac{\partial x^k}{\partial \bar{x}^i}\fra...
...(\det \frac{\partial x^l}{\partial \bar{x}^j}\right)
=J^{-2} g = \tilde{J}^2 g
$

であるから、 $ \sqrt{g}$ について $ w=1$ であり、 $ \sqrt{g}$ はスカラー密度として振る舞う。

二つの反変ベクトル $ a^i,b^i$ を用いて

$\displaystyle c_i = \sqrt{g}   \epsilon_{ijk} a^j b^k$ (68)

を定義すれば $ c_i$

$\displaystyle \bar{c}_i
= \sqrt{\bar{g}}   \bar{\epsilon}_{ijk} \bar{a}^j \bar...
...}   \epsilon_{plm} a^l b^m =\frac{\partial \bar{x}^p}{\partial \bar{x}^i} c_p
$

であるから、共変ベクトルとして振る舞う。 同様にすれば、二つの共変ベクトル $ a_i,b_j$ を用いて

$\displaystyle c^i =\frac{\epsilon^{ijk} a_j b_k}{\sqrt{g}}$ (69)

を定義すれば $ c^i$ は反変ベクトルとして振る舞うことが示せる。

二階の反対称共変テンソル $ A_{ij} (A_{ij}=-A_{ji})$ について

$\displaystyle p^i =\frac{1}{2} \epsilon^{ijk} A_{jk}$ (70)

で定義されるベクトル $ p^i$ は任意の座標変換に対して

$\displaystyle \bar{p}^i$ $\displaystyle = \frac{1}{2} \bar{\epsilon}^{ijk} \bar{A}_{jk} =\frac{1}{2}\frac...
... \epsilon_{pqr} A_{qr} =\frac{\partial \bar{x}^i}{\partial x^p}  \tilde{J} p^p$    

が成り立つので、一階の反変テンソル密度(反変ベクトル密度)として振る舞うことが分かる。 また

$\displaystyle p^i =\frac{1}{2\sqrt{g}} \epsilon^{ijk} A_{jk}$ (71)

で定義されるベクトル $ p^i$

$\displaystyle \bar{p}^i$ $\displaystyle = \frac{1}{2\sqrt{\bar{g}}} \bar{\epsilon}^{ijk} \bar{A}_{jk} =\f...
...tial x^p}   \epsilon^{pqr} A_{qr} =\frac{\partial \bar{x}^i}{\partial x^p} p^p$    

であることから、一階の反変テンソル(反変ベクトル)として振る舞うことが分かる。

fat-cat 平成16年11月29日