第119回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2011.11.2 (Wed.) 4:00PM
  • 発表者:
    1. 藤井淳(山田研 M1)
  • 要旨:
    1. 1995年に初めて系外惑星の発見があってから、これまでで最も成果を挙げている検出方法はドップラーシフト法です。現在まで検出された系外惑星の80%がこの方法で見つかっている事がそれを裏付けています。
      今回発表する論文は、太陽系の近傍にある明るい恒星εEriの約20年間にわたる視線速度測定から視線速度変動に6.9年の周期性がある事を確認し、その変動がこの恒星の周りの軌道長半径3.2AUの高離心率軌道上に存在する質量の下限が0.86木星質量の惑星に起因するものであると結論付けています。また、この候補惑星は広い軌道長半径を持つため直接撮像やアストロメトリ法による検出も期待できると考えられています。
      この論文のポイントは、「星が比較的高い活動性を有している場合に星の活動性に起因する視線速度変動の可能性をどのように確認し、どのようにその可能性を除外したのか?」という所にあると個人的には考えています。

      キーワード:系外惑星、視線速度法、ε Eri