多天体補償光学系のシミュレーションのまとめ 2
多天体補償光学系のシミュレーション Gavel 2004
大気乱流の計算やシングルガイドスターの補償光学系のシミュレーションについては
C++ ライブラリ Arroyo を用いるなどセットアップは
同じ。
単層モデル
まずは4個のNGSをターゲットの周りに60"離して配置してターゲットの波面を推定するテストをしてみる。
大気は 10km の高度の単層のモデルで波長はすべて 2.2um とする
((modified)focal_anisoplanatism_simulation -M s 1 10 1.0e-13 -l 2.2e-6, RMS=5373nm@2200nm)を用いる。
左から天体からの波面、4個のガイド星で推定した波面、残差。
Gavel 2004 の場合、ノイズを入れない計算では単層モデルで複数のガイド星からの測定があると、
逆行列を持たないので、解なし、になる。SN=1として計算してみる。
マウナケアモデル
ガイド星の配置は同じで11層のマウナケアモデル(focal_anisoplanatism_simulation default, Ellerbroeck MaunaKea, 0.20m@550nm, RMS=3405nm@2200nm)。上段はLSEによる推定。4スミにシフト+重ね合わせの影響が見えるが、特に格子模様のパターンは見えない。中央部分の波面誤差はRMS=364(nm)。下の段はMMSEでの推定。SN=10とした。MMSEでの推定の際にはモデルを計算するときに用いたCn2の値を用いた。中央部分の波面誤差はRMS=345(nm)、大きい。LSEとMMSEの推定結果はほとんど違いはない。
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