4 入射光子流束

さて、様々なエネルギー $ \vepsilon$ の光子が様々な方向から入射して電子に散乱される場合、 エネルギーが $ \vepsilon$ $ \vepsilon + d\vepsilon$ の間で、 立体角 $ d\Omega$ 中を通過する入射光子流束 $ dj_{\rm incident}$

$\displaystyle d j_{\rm incident} = c \tilde{f}_\vepsilon   d\vepsilon d\Omega, \qquad \sigma = \sigma_T$ (39)

と書くことができる。 ここで、 $ \tilde{f}_\vepsilon = \tilde{f} \left( \vx , \vepsilon ,\Omega\right)$ は光子気体について

$\displaystyle f(\vx ,\vp) \frac{d^3 \vp}{\vepsilon} = \tilde{f} \left( \vx , \vepsilon ,\Omega\right) \frac{d\vepsilon d\Omega}{\vepsilon}$    

とおいて定義された単位体積単位立体角単位エネルギー当たりの粒子数である。 左辺はローレンツ不変量である。 ここで用いられている$ d\Omega$ は入射光子についての量であり、 Eq.(34) で現れる $ d\Omega$ は散乱光子についての量であるからこれらは同じものではない。 散乱される全光子数は、 エネルギーと立体角で積分して、

$\displaystyle \int \sigma_T   dj_{\rm incident} = c\sigma_T \int \tilde{f}_\vepsilon   d\vepsilon d\Omega$ (40)

で与えられる。

fat-cat 平成16年11月29日