1 デルタ関数の定義、性質

デルタ関数の定義

$\displaystyle x\ne 0\,$ に対して、$\displaystyle \,\delta(x)=0,$   かつ$\displaystyle \qquad \int_{-\infty}^{+\infty}\delta(x) dx =\int_{-\vepsilon}^{+\vepsilon} \delta (x) dx=1$ (1)

及び、その性質

$\displaystyle \int_{-\infty}^{+\infty} f(x)\delta(x)dx = f(0),$   但し、$ f(x)$は任意の連続関数 (2)

であり、非常に特殊な関数であることが分かる。 デルタ関数の値は$ x=0$の一点以外では至る所で零であり、 デルタ関数を全領域で積分すれば壱になるように、$ x=0$では非常に大きくなる。 このほかに基本的な性質として以下のようなものがある。

$\displaystyle \delta(x)=\delta(-x),$   :偶関数 (3)

$\displaystyle \delta(x^2-a^2) = \frac{1}{2a}\left\{ \delta(x-a)+\delta(x+a)\right\},\quad a>0$ (4)

$\displaystyle \delta(ax)=\frac{1}{\vert a\vert}\delta(x),\quad a\ne 0$ (5)

$\displaystyle \delta(x) = \dI{x}\Theta(x),$   $ \Theta(x)$:Step Function(階段関数) (6)

$\displaystyle \int_{-\infty}^{+\infty} f(x)\delta(x-a)dx = f(a),$   :Eq.(1)の拡張 (7)

定義Eq.(1)を実現する関数は存在しない。 この様な、「ある範囲の関数$ f(x)$を試験的に掛けて積分し、極限をとった結果」を表す記号を超関数(distribution)と呼ぶ。 超関数はそれに対する演算が定義されたとき意味を持つ

fat-cat 平成17年2月18日