3 ポリトロープ

星の構造は、粘性や熱の発生や移動などを無視すれば、 適当な状態方程式 $ P=P(\rho,s)$ を使って、上に与えられた二つの常微分方程式を、 ある適当な境界条件のもとで積分することで求めることができる。 上の常微分方程式を(静水圧平衡の式と連続の式とを)組み合わせれば、

$\displaystyle \frac{1}{r^2} \dI{r} \left(\frac{r^2}{\rho} \di{P}{r}\right) = -4 \pi G \rho$ (9)

となるが、この式はもし圧力 $ P$ が密度 $ \rho $ だけの(密度 $ \rho $ が圧力 $ P$ だけの )関数として与えられれば積分できることを示している。 ここでは、圧力と密度の関係を

$\displaystyle P=P(\rho) = K \rho^{\frac{n+1}{n}}$ (10)

で与えて星の構造を調べることを考える。 ここで、 $ n$$ K$ はある定数である。 静水圧平衡にあるガス球で、 ガス球内の中心からの距離に沿った各点で上の関係式が成り立っているものをポリトロープと呼び、 $ n$ポリトロープ指数(polytropic index) という。

fat-cat 平成16年11月30日