2002年11月の作業記録

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〜11月29日(金)
これまでの作業内容
  • ニュートン焦点補正光学系(馬場)
    鈴木さんが設計したレンズの性能確認のため、勉強中
  • デュワー
    ノイズ対策のため、CCDをのせる基板を作り直し
    • グラウンドを二つに分け、基板の裏面と表面に広くとった
      (アナログ:バイアス+信号出力 デジタル:クロック)
    • グラウンドをデュワーに設置
      (コールドプレート:スペーサから 外壁:コネクタから)
    • 全部の基板→コネクタの配線をより線に
  • 筐体
    鈴木さんが作った発泡スチロールの模型をとりだして検討中→設計へ
  • シャッター(鳥羽)
    シーイング観測用のシャッター制御回路を解析中
    →回路の書き出しは完了、どうして動くのかを解析中(リレーのデータシートが不明)
  • フィルタボックス
    フィルタが入らないので、削る必要があり→工場へ持っていかないと無理
  • ピント合わせ機構
    • ソフトウェア 読み出し部分(吉川)とモータ制御部分(山内)を分けて開発へ
    • ハードウェア モータのカップリング、ラボジャッキの解析(山内)
  • 温度コントローラ制御(吉川)
    labviewからの制御に失敗
    →シリアルポートからの読み出しでエラー・Segmentation faultで異常終了
  • ソフトウェア(吉川)
    labviewから読み出しプログラムを動かすことには成功、まだ改良の余地あり
  • 11月18日(月)
    作業内容
  • CCD性能評価
    ※トリガークロックの調整
    ←トリガークロックがCDSの場合、A/Dコンバータに対して速すぎた(1.6μsec→2.0μsecに)
    ※CDSでのノイズ評価
    <実験結果>
    →サンプル16回程度で、kTCノイズの限界まで達したようだ
    (ただし、読み出し時間が1分以上)
  • 真空・冷却実験
    →冷却用の銅線を増やしたが、変化無し
  • 11月13日(水)-15日(金)
    作業内容
  • CCD性能評価
    リードアウトノイズ:バイアス画像を2枚撮って差を取り、その標準偏差の1/√2
    →普通の読み出しの場合、21DN = 75.5electrons
    →CDS(4回サンプル)を使った場合、12.64DN = 45.6electrons
    ※kTCnoiseが√kTC〜50electronsなので、CDSによってkTCnoise分が減った?
    →依然として、実用レベル(〜10electrons)までノイズは落とせず
  • 考えられる対策
    • 読み出しのクロックを遅くする
      リセット後、シリアルゲートを開けた後、の両方のサンプリングで落ち着くまでの時間をもっと取る
      A/Dコンバータに対して速すぎるか?
    • PreAmpのノイズを減らす
      デュワー⇔アンプ間の配線を短くする
      OPAmpのICをノイズの低いものと替える
      カップリングコンデンサをもっと周波数特性のいいものと替える
  • 真空・冷却実験
  • 11月12日(火)
    作業内容
  • 冷却
    →冷却の到達時間、維持する時間は前回と同じ程度だが、 CCDがやや冷えていないことがわかった←ばねの熱伝導の悪さが原因か
  • 撮像
  • 電子1個当たりのノイズ測定
    ←バイアス画像を2枚撮り、その差の画像の標準偏差がノイズ。それをバイアスレベルで割って、電子1個あたりのノイズ[V]に直す
    →0.833μV/electron
  • 11月11日(月)
    作業内容
  • プリアンプ(サル)壊れた?
    ←回路内の接触不良、クロックの接触不良?
    →結局、直った
  • ゲイン、かさ上げの調整もう一度
    ※ゲイン、かさ上げとも、結局元に戻したが…
    →リセット電圧:+4.87V, saturateの電圧:-5.3Vに
  • 転送効率に問題か?
    →CCDに光を当てすぎると、たまった電荷が抜けにくい
    →saturateし過ぎると出力クロックの幅が広がる
  • 真空引き再び
    ※CCDをのせた状態、保護フィルムもはがした
    →35分で6.8×10-3
  • 11月8日(金)
    作業内容
    • ピンホールカメラを用いての撮像試験
        ※デュワーの入射窓にピンホールをつけての撮像試験
      • pinhole03.fits
        <ダウンロード(4.4MB/fitsファイル)> <ダウンロード(23kB/JPEGファイル)>
        ※1回の空読みの後、撮影
        →左上に、白熱灯で鳥羽氏に光を当てている馬場氏が写った。中心の光は白熱灯。(被写体のはずの鳥羽氏は写らず、残念)
        ※この後、何度か撮像するが、うまく行かない。
        (何度も白熱光の光を入れたために電荷が残ってしまったことと、撮像時の光の入れ過ぎが原因か?)
      • pinhole10.fits
        <ダウンロード(4.4MB/fitsファイル)> <ダウンロード(22kB/JPEGファイル)>
        ※10回の空読みの後、撮影
        ←空読みの後、すぐに撮影(ダークを抑えるため)
        ←白熱灯の光が入り過ぎないように調整
        →左上に馬場氏、右下に鳥羽氏(ピンホールを作り直したところ、前の撮像のときよりも穴が大きくなってしまったらしく、ピントが甘くなっている)
        →読み出しと逆方向に尾が延びている = differed charge?
    • 読み出し用シェルスクリプト作成
      • eread.csh:空読み用、1回のみ読み出し
      • tread.csh:テスト読み出し用、指定回数の空読みの後、露出時間を待ち、オブジェクトを読み出し
    • ゲイン、かさ上げの調整
      ※CCDからの出力が-6V〜0V程度、A/Dコンバータの変換が-5V〜+5Vなので、それに合うようにプリアンプでA/Dコンバータへの入力を調整
      ゲイン:(1k + 390)/390 = 4.9倍
      かさ上げ:15V×680/(10k + 680) = 0.955V
      →リセット電圧:+4.6V, saturateの電圧:-5.3Vに
      (CCDに白熱灯スタンドの光を入射してサチらせ、読み出し中のプリアンプの出力をオシロスコープで確認した)
    11月7日(木)
    作業内容
    • CCD動作試験前最終チェック
      • プリアンプ入力のコンデンサを交換
        ←CCD出力に直接コンデンサのリセット用のクロックが入るのを防ぐため
      • プリアンプチェック
        →入力コンデンサのリセットスイッチの動作を確認
        →入力信号の直流成分が除かれていることを確認
        <出力結果> <拡大図>
    • CCDをデュワーに載せた
      →Cold Side Plateがチップに触れていることを確認
    • CCD動作試験
      ←readプログラムを使い、RST、SRGのクロックと同期して出力信号を確認
      →予想通りの出力結果、光の入射にも反応していることを確認
    11月6日(水)
    作業内容
    • クロックの時定数再調整
      ※クロックが立ち上がるときのふらつきが全く無くなるまで時定数を上げる
      →決定
       R(Ω)C(pF)rise time(nsec)
      IAG1001000370
      RST1001000392
      ABG1001000388
      SRG1001000398
      TRG1001000370
    11月5日(火)
    作業内容
    • クロックの時定数調整
      ※data sheetのrise timeは最小値、オーバーシュートが大きくならない程度に調整する
      →決定
       R(Ω)C(pF)rise time(nsec)
      IAG100220270
      RST100220218
      ABG100220206
      SRG100220284
      TRG1001000370
    • 10月30日の実験のヒストグラムで、周期的に頻度が落ちるのが気になる(bit落ち?)
      →ヒストグラムのbinが整数の幅でなかったのが原因
    11月1日(金)
    作業内容
    • プリアンプ読み出し試験
      ビット落ち探し→PCIバス側のIsolatorの中で、ICのショートがあった
    • クロックの時定数調整
      →データシートのrise timeまで小さくすると、オーバーシュートが大きくなりすぎる
      →最小値ってどういうこと?
    ご意見・ご質問等は吉川まで

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