第131回 院生雑誌会

  • 日時:
    1. 2012.05.30 (Wed.) 17:00~
  • 発表者1:
    1. 豊内 大輔(千葉研M1)
  • 要旨:
    1. 現在、ΛCDMモデルは宇宙の進化をもっともよく記述するモデルであると考えられており、 実際ほとんどの構造形成シミュレーションにおいてほぼ前提条件的に組み込まれるモデルである。 しかしながら、ミッシングサテライト問題やカスプ問題などこのモデルでは説明できない事実も存在し これらの問題の原因を理解することは非常に重要である。
      今回は、ΛCDMの仮定を崩し、Cold + Warm dark matter(CWDM)モデルによる 構造形成シミュレーションを行っている。すると、ここで得られたハローはΛCDMで得られる ハローより'clumpy'でないことがわかった。これはCWDMモデルがカスプ問題を説明する上で 有用なモデルであることを意味する。

      Keywords:


  • 発表者2:
    1. 増田 貴大(秋山研M1)
  • 要旨:
    1. HST/WFC3による角分解能の高い近赤外画像を用いて、HUDF09・ERS field(GOODS-SOUTH)に ある1.5<z<3.5の銀河の性質を調べた。その結果、1.5<z<2.15における10^10Ms程度の銀河は regular diskを持つものを含め様々な形態があることがわかったが、~10^11Msの大質量な銀河は 力学的に安定していないirregularな構造を持つものが多いことが分かった。
      一方2.15<z<3.5においてはいずれのmass rangeにおいてもdiffuse/irregularな構造を 持つものが大部分を占めていた。さらに、銀河全体のうちで星形成を行っている銀河の割合は、 z=3.5-1.5で60%-5%へと減少していた。このことから、z~2は銀河形態の変化と星形成の収束が 共に起こっており、現在のmassive ellipticalsが生まれた時期であるといえる。

      Keywords: Galaxy evolution, Morphology, HST


  • 発表者3:
    1. 林 航平(千葉研D1)
  • 要旨:
    1. 恒星ストリームである球状星団NGC5466は西端(α<190°)にスムーズなストリームからズレた 軌道持っているのが特徴である。これを用いて銀河系ダークハローの形状を決めた。 するとディスクポテンシャルに依らず、ダークハローの形はoblateかtriaxialであることがわかった。 sphericalとprilateは高い確率で棄却される。 よってNGC5466のデータ(α<190°)の方向をより詳しく観測すれば、 銀河系ダークハローの形に強い制限が掛けられるだろう。

      Keywords: Milky Way, Dark matter halo, Stellar stream