6 拡散方程式の解析解

偏微分方程式(1) は解析的に容易に解くことができる。 解を境界条件を考慮して

$\displaystyle u(x,t) =\sum_{n=1}^\infty A_n(t) \sin \left(n \pi x\right)$ (38)

とフーリエ級数展開した表すことができる。 これを(1)に代入すれば

$\displaystyle \sum_{n=1}^\infty \di{A_n(t)}{t}  \sin(n\pi x) =-\sum_{n=1}^\infty (n\pi)^2  A_n \sin(n\pi x)$    

となり、

$\displaystyle \di{A_n(t)}{t} =- (n\pi)^2 A_n$ (39)

を得る。 これは簡単に積分できて

$\displaystyle A_n(t) = A_n^0   \exp\left[-(n\pi)^2 t\right]$ (40)

が得られる。 ここで $ A_n^0 =A_n(t=0)$ は初期条件によって決まる量である。 従って、(40)を(38) に代入して、解は形式的に

$\displaystyle u(x,t) = \sum_{n=1}^\infty A_n^0 \exp\left[-(n\pi)^2 t\right] \sin(n\pi x)$ (41)

で与えられることになる。また初期条件

$\displaystyle u(x,t=0) =\sum_{n=1}^\infty A_n^0 \sin(n\pi x) =\Phi(x)$ (42)

より、係数 $ S_n^0$ は、

$\displaystyle A_n^0 = 2\int_{0}^1 \Phi(x) \sin(n\pi x)  dx$ (43)

で与えられる。



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fat-cat 平成16年11月30日