オープンキャンパスで出会った天文学者に憧れて東北大学へ
小学校の頃、天体写真が載っているカレンダーを見つけ、その天体写真を見て「宇宙ってキレイだな」と思っていたことがきっかけで天文学に興味を持ちました。東北大学を選んだきっかけは、もともと、地球科学•バイオテクノロジー•天文に興味があって、高校で物理と生物のどちらかを選択しなければならなかった際に物理を選択したので、天文に進路を絞りました。
高校3年次の夏休みに東北大学のオープンキャンパスに参加し、高田昌広先生(現・東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 教授)が目を輝かせながら宇宙のことを語っていた姿を見て、高田先生のように自分の好きなことを楽しんでいる研究者がいる所で研究がしたいと思いました。
天文学研究を進めながら身につけた課題設定能力や協働する力
天文学の研究で身についたスキルは、自分で「何をやるか」を考える力だと思います。そして、そのやりたい事を実現するにはどんな知識が必要で、どのように勉強しなければならないのか、といった課題設定をする能力が必要になるので、その部分が特に鍛えられました。
博士課程では、楕円銀河の中心領域に見られる電離ガスの活動の起源を研究しています。銀河の色から予想される紫外線源と輝線光度の観測値を比較することで、恒星による光電離過程を検証しています。
自分の研究能力を客観的に見つめ直し、民間企業への就職を決意
天文学専攻に進学することを決めてから、博士課程まで進学する事は決めていました。なぜなら、修士課程の2年間で研究を仕上げることは難しいと思ったからです。実際に、修士の時は研究の準備で終わってしまったようなもので、博士課程へ行ってやっと納得のいく研究ができ、進学してよかったと思っています。
博士課程2年次での研究の進捗状況、つまり結論への到達度合いや論文の出版数、日本学術振興会特別研究員の評価を客観的に見つめた結果、アカデミックへの進路は選択できそうにないと思いました。そこで、博士課程2年次の10月に民間企業への就職活動を始めました。
民間企業への就職にあたり、自分の研究テーマをそのまま活かす仕事がなかったため、コミュニケーション力や論理的思考能力、プログラミングスキルが活かせるような職種を考えました。IT業界に対して約2ヶ月間業界研究を行って、ITスキルの向上や職務経験を積むという意味で成長できそうな企業を探して、約10社にエントリーしました。
来年からはシステムエンジニアとして東京で働きます。天文学研究で得られた知識を活かして、日常生活を陰で支えてくれているシステムの構築や保守運用をする予定です。
進学を考えている人やこれから就職活動をする人へのメッセージ
天文学専攻を志望する高校生へメッセージをお願いします。大学は自分のやりたいことに思いっきり打ち込む場所なので、「これがやりたい!」というものを見つけることが大事だと思います。
これから就職活動をする大学生へメッセージをお願いします。企業での研究職を目指すのであれば、自分の武器になるような専門性を育てると良いと思います。例えば、数値シミュレーションなどです。
一方で、システムエンジニア、コンサルタント、営業職のような研究職以外の就職を目指すのであれば、人間性とか、目標を持って大学生活を過ごしてきたかというところを見られるので、自分の好きなことに思いっきり打ち込むことが大切だと思います。
最後に、アカデミックな研究職を目指す大学院生へメッセージをお願いします。ぜひ世紀の大発見をして、まだ誰も知らない宇宙の姿を明らかにしてほしいですね。